SHISHAMO『明日も』の話題の転調増4度について
この曲のサビでの転調がバズってます。
僕はあまり知らなかった曲なんですが、面白いですね。
色々と解釈がされておりますが、僕は基本的に作曲は感性派なので、一見理論との整合性がなくても全然ありと思います。
むしろ、こういう構成的に不思議な曲があって、それが何故音楽的に成立しているのかを事後的に解明していくプロセスが音楽理論の仕事だと思うんですよね。
ネット上の記事諸々より
togetter
これらの中での、下記のツイートが個人的になるほどと思いました。
短三度上の転調は、比較的よく使われる転調なので、あまり違和感ない類なのですが、それを二回やっちゃってるという解釈。
サブドミナントマイナーなんか、短三度上の調から借用してきている感じですが、ダイアトニックコード並みに使用頻度多いですもんね。
それだけ親和性の高い調なので、そこへの転調と思わせつつ、更に短三度上だったと。
単純に増4度の転調ではなく、細分化して解像度を上げた解釈ですね。
バズってるSHISHAMOの「明日も」、別に「突然」「遠隔調に」行ってるわけではないような…。サビ前のA→B(VIb→VIIIb)で明らかに短三度上(同主調の平行調)E調を示唆しているけど、それを裏切って更に短三度上のGに予告なく二段階で転調してる。ここの裏切りがぎょっとするんじゃないかと思う。
— 神前 暁 / こうさき さとる (本名) (@MONACA_kosaki) November 7, 2018
本人より
意識して作ってませんでしたとのこと。
こういうスタンス素晴らしいです。
SHISHAMO好きになります。
そして、バンド名なんでシシャモなんでしょうか・・
音楽が大好きな方達なんでしょう、「明日も」の転調問題に一部の方々が色々解釈して下さってるようですが、情けない事に私は楽譜も読めないしコードも知らないし音楽について勉強した事もないので無意識でした…色々な意見を読んで「あ、だからサビの入りが歌いづらいんだー!」と納得しました。(宮崎)
— SHISHAMO (@SHISHAMO_BAND) November 7, 2018
コード進行解説してくれているブログ記事
そもそも、キーがD♭て。
フラット多すぎです。最高です。
ギターってレギュラーチューニングだとシャープ系の楽器なんですけどね。
まぁ、調性的にギターと相性のいいGキーをサビに持ってきて、ぶち上げるっていう流れを作る意味では、D♭スタートっていうのはいいのかも。
まとめ
よい楽曲に出会いました。
冒頭でも述べたように、個人的には、作曲は感性派なので、イマジネーションの赴くままにどんなコード進行してもいいと思うし、理論をぶち壊した音選びをしているにも関わらず、ちゃんと音楽的に仕上がっているという方が面白いと思います。
理論も必要だと思いますが、理論ありきではこういう曲は作れないでしょう。
で、音楽的に仕上がっているのかどうか、が聞き手に委ねられていて、違和感を感じる人もいるし、いない人もいるってのが今回話題になった点だと思います。
作り手側としては、サビをぶち上げるのに一番いいと思ったキーがこのキーだった、ということだと思います。
それが、あまりない転調だったから、聞きなれない分、アレ?と思った。
これがある種インパクトになっていて、良い悪いは別にしても、アーティストの意図したところということでしょう。
*1:後のツイートでVIIIbではなくVIIbとのこと